Masanori's 書評&創作diary

書評と自作小説の公開など

ヘルマンとドロテーア/ゲーテ

 

ヘルマンとドロテーア (新潮文庫)

ヘルマンとドロテーア (新潮文庫)

 

 「ファウスト」の哲学的、「ウェルテル」の悲劇的色彩とは違って、小津安二郎の映画のような牧歌的で日常生活に根ざした、心が温まるラブストーリー。

話の大枠もほぼ小津映画と同じ。 ゲーテのお堅いイメージがひっくり返る小説でした。

それでも随所随所に真理を突いた氏ならでは洞察があるんですよね。 全体で100ページに満たないので、ゲーテの中ではマイナーですが、ゲーテ入門編として良いかもしれません。